ゆらゆらりんな日々

2代目柴犬と暮らす日々

★やっぱり泣いちゃうアラーキーの「東京日和」★

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毎回、山のように積んだ本やチケットの整理をしていたら、
去年行った江戸東京博物館の企画展「荒木経惟 -東京人生-」のチケットが出てきました。
この写真展、東京と時代の変遷がとてもよく表現されていて、他にも今は亡き奥様の陽子さん、
今は亡き著名人の方々などのお写真にしみじみ見入ったものです。

そんなアラーキー氏の本「東京日和」
映画化もされていたのでご存知の方も多いと思いますが、
この本、何度読んでも涙してしまいます。

陽子さんにとってのアラーキー氏は愛しい夫であり、芸術家であり、共有する友であり・・・。
美味しい物の食べ歩き、お酒、映画、音楽と東京の町並みがたくさん出てきます。
いとしの愛猫チロも。

陽子さんの日記には入院時のお見舞いに来るアラーキー氏の様子が綴られています。
「夫はそんな私を慰める為にいつも大ぶりなイキイキとした花束を抱えてやってきた。」

「夫の去った後、鮮やかな黄色の炎のようなヒマワリを見ていると、確かにそこには夫の姿やぬくもりや匂いが感じられ、私はいつまでも見つめ続けていた。人の思いというのは存在する、本当に存在していて、疲れた者の体と心を癒してくれるんだ、と私はこの時いやというほど感じ入った。涙がボロボロ流れ出してなかなか止まらなかった」

こんな可愛いエピソードも・・・

放射線科に移され食欲のない陽子さんにアラーキー氏はいつも昼ごはんの時間にやってきて、
「見ていてあげるから食べなさい、などど冗談ぽく言って私の食欲を促してくれた・・・(中略)・・それから夫が伊勢丹の地下で買ってきてくれた土井の千枚漬けを食べてみる。ウンやっぱり千枚漬けが一番うまい!」

そんなアラーキー氏も1時過ぎになると帰り支度を始めます。
「また明日も来てあげるからと言いながら彼は私の右手をギュッと握りしめる。それは握手と言うより、夫の生命力を伝えてもらっているような感じで、私はいつも胸がいっぱいになった。・・(中略)・・・彼の手こそが生の拠りどころだったのではないかと今しみじみ思いだす・」

その後退院しますが、再入院ヨーコさんは90年に逝ってしまいます。

「東京日和。ヨーコを想いながら歩く事にした。」
「ヨーコの最後の文章を読んで、泣いた」
「ヨーコ、グッドバイ、でもずっーと愛してるからね」

皆さんは彼の写真展をご覧になったことありますか。
小さいお友達は見てはいけません的な写真もありますが(笑)、
機会があれば一度ぜひ♪ 
あ~んやっぱり泣いちゃう・・