幕間に買ったお土産です
ブログでお世話になっているなっているkazuさんが「東海道四谷怪談」の記事を書いていて
とれがとても丁寧に解説してあり、以前から観たいと思っていたので急遽行ってきました。
お岩さんのお話しはご存知の方が多いと思いますが、どうもお岩さんの顔や恨めしや~ばかりが 一人歩きしているように思います。私もそうでしたが、今回は深く理解する事が出来ました。 詳しい人物説明についてはkazuさんが丁寧に書かれているので、ざっと書いてみたいと思います。 「東海道四谷怪談」作者は鶴屋南北さん、これは忠臣蔵の外伝と言いましょうか、裏のお話しです (創作ですが、当時の実在した人物や事件を織り交ぜて複雑に絡み合う人間模様を書いています。) (実在したお岩さん夫婦は仲が良かったと言われていますし、田宮家も現存しています。) お岩さんのお父さんと言う人は元は忠臣蔵の赤穂側の家臣で、「松の廊下事件」がなければ、 それなりの地位があったでしょうが、あの事件以来、物乞いをしています。 お岩さんの夫の伊右衛門も赤穂側に仕える人間でしたが御用金を着服し、それを知ったお父さんは 伊右衛門の子を宿しているお岩さんを伊右衛門から連れ戻し、縁を切っています。 お岩さんを返してくれと言い寄る伊右衛門は義父に着服の件を知られたので義父を殺害します。 そこへ何も知らず、父の身を案じてやってきた身重のお岩さんは、お父さんの無残な姿に泣き、 (犯人である)夫の伊右衛門に「お父さんの敵をとってほしいと」と話し、再び一緒に暮らします。 (お岩さんには妹さんもいて、そちらのストーリーもありますが今回は省略しますね) そして可愛い赤ちゃんも産まれるのですが、夫・伊右衛門のDV男ぶりがこれまた酷いんです。 「貧しい上にガキまでこさえやがって!」と産後の肥立ちが悪く、床に臥せっているお岩さんに 辛く当ります。思わず、自分の子だろうよ~と突っ込みたくなりました(笑) そして隣家の伊藤家は孫娘と伊右衛門を一緒にしたいが為に伊藤家の乳母に出産祝いとして 着物や良くなる薬(毒薬)、お酒、お金を持たせやってきます。これはお礼に行った方がと言う事で お岩さんはどんなに苦しくても武士の妻として、夫に羽織を着せ、気分よく夫は出かけていきます。 夫から知らずに薬を渡されたお岩さんは伊藤家の方向を向いて感謝をしながら薬を飲んでしまいます 一方、伊藤家とは忠臣蔵でいう吉良上野介側の人間なんですね。羽振りもいいです。 孫娘と一緒になってほしいと事の詳細を聞かされた伊右衛門はそこで取引に応じるのです。 家に戻った夫・伊右衛門はお岩さんの醜く変わった顔に驚き、今度はこれでもかとひどい仕打ちを します。お岩が死んだら新しい妻を迎え、またお岩さんのお父さんの敵を討つ気持も失せたと言い 病気のお岩さんの着物や赤ちゃんの着物、赤ちゃんの為の蚊帳を質種に持って行くと苛めます。 当時、蚊帳は貴重でこれがなければ赤ちゃんは大変な事になるか、おがくずを寝ずに焚いて虫から 守ってあげなければならなかったそうです。蚊帳だけはと言うお岩さんから蚊帳を引き剥がす時に お岩さんの爪は全部剥がれてしまいます。あぁ~ホントに酷いDV夫です。 お岩が邪魔な伊右衛門は宅悦を脅して、お岩に言い寄れと言い、言い寄った時にお岩さんは刃物で 抵抗し、刃物は柱に刺さります。宅悦もこれには気の毒になり、事の次第をすべて話します。 するとこんな酷い仕打ちをした伊藤家に出向いて恨み事を言わなければと、身支度を始めます。 このあたりも武家の娘であり、武士の妻であるプライドをも感じさせます。 ここでお歯黒を塗り、母の形見の櫛で髪梳きをします。すると髪がごっそり、血も滴ります。 産後の女性は髪を梳いたりお歯黒は忌み嫌うのですが、お歯黒をし、髪を梳く場面では息をのんで 皆さん見ていました。宅悦が引き留めようと揉め合ううちに、先ほどの柱の刃物がお岩さんの喉を 突いてしまい、哀れお岩さんは絶命します。憤死という感じでしょうか。 そこへ帰宅した夫・伊右衛門は平気でお岩さんを戸板に打ちつけ川へ流せと命じます。 そして伊藤家の娘を嫁にもらいますが、すべてがお岩さんの亡霊などに見え首をはねてしまいます。 それからも色々と恐ろしい事がおこり、最後には伊右衛門は討ち果たされます。 この時に忠臣蔵の討ち入りも背景にあります。ざっとこんなお話です。 私が初めて歌舞伎を観たのは20歳くらいの時で、当時は外国の方なども多い3F席で見ました。 イヤホンガイドがあるので、その背景まで詳しく説明してくれて、今回とても楽しめました。 夫・伊右衛門役に吉右衛門さん、お岩さんに福助さん、他にも染五郎さんなど豪華顔ぶれでした。 何かの縁でギリギリ間に合い観る事が出来て、また1つ楽しみを経験できました。 kazuさん、教えて下さりありがとうございました。
4時半から8時50分までと上演時間が長かったのでタビもいじけていました(ゴメンネ)